ご注意下さい!


この話は、若干ではありますが、BLかつ性的な『ご指導』を含んでおります。
18歳未満の方、性描写が苦手な方は、 閲覧をお控え下さい。
(閲覧により不快感を抱かれた場合、責任を負いかねます。)




    それでもOK!な方  →
コチラをどうぞ。



























































    菊花盛祭 ~前夜祭~







「いらっしゃ~いっ♪」
「おかえりなさ~い♪」


今日は、僕と奥様の可愛い天使…京治が久々に帰って来る日だ!!
僕達は楽しみで楽しみで…午後半休をもぎ取って、今か今かと待ち構えていた。

勿論、京治にも会いたかったけど、超ステキな王子様…
赤葦家の大事なお婿さんこと、黒尾君に会えるのが、楽しみで仕方ないのだ。

「お久しぶりです。お二人共、お元気そうですね。」
「おかげさまで。黒尾さんも、相変わらずステキで…惚れ惚れしちゃうわ~♪」

はわわわ~、そのキラキラ笑顔っ!
奥様も僕も、一緒になって蕩けそう…ホントにウチのお婿さんはカッコ良い♪

実はコッソリ寝室に並べて飾ってる、息子達が描かれた大判タオル…
『グッズ』の黒尾君もイイけど、やっぱりホンモノには全然敵わない。
ちなみに、京治のは奥様にソックリすぎて…僕はちょっとフクザツな気持ちだ。


「も…もういいでしょ!父さん母さん…月島君達がドン引きしてる。」

京治は僕達から黒尾君を隠しながら、後ろにいた二人を玄関に招き入れた。
入ってきたのは、京治達と一緒に暮らしてるという、後輩君達だった。

「お…お久しぶりです!」
「はっ、はじめまして…」

「あら~♪お二人も、相変わらず可愛らしいわぁ~!ねぇ、お父さん?」
「僕の方は、はじめましてだけど…ホントに可愛い二人だね~♪」

奥様は以前、彼らとも会っている。
黒尾君のお誕生日会のために、京治と一緒に料理を習いに来たそうだ。
その優しいトコロが、もう既にツボすぎる…めちゃくちゃ可愛いんだけど!

同じバレー部繋がりということもあり、二人共すっごい背が高い…
月島君の方は、ビックリするぐらいのイケメン!モデルみたいにキレイな子。
山口君は、ピュアで穏やかな好青年…今すぐ僕の部下に欲しくなっちゃった。

黒尾君だけでもウハウハなのに、こんな可愛い子達も…奥様がはしゃぐわけだ。
お料理教室の時はあまりに急すぎて、休みが取れずに会えなくて…僕は号泣。
今回も急だったけど、「奥様が腹痛なんです!」って仮病…休めて良かった~♪


「こんなとこで『ぽわぽわ~』ってしないでよ…こっち、上がって。」

京治は黒尾君の手を引きながら、いそいそとリビングに入って行った。
確かに、玄関先で…よりは、リビングでのんびりぽわぽわした方が良い。
僕達も京治を見習って…奥様は山口君の手を、僕は月島君の手をキュっと握り、
初々しく恐縮しまくる二人を、リビングへと連れて行った。



「改めまして…ようこそ赤葦家へ。いつも京治がお世話になってます。」
「突然の話だったのに、わざわざお越し下さって…ありがとうございます。」

リビングでお茶を出し、まずはきちんと『親らしいご挨拶』をこなす。
王子様が持って来てくれた、菊花型の和菓子を頂きながら、他愛ない雑談。

今回4人を呼び寄せたのは、ただ会いたかっただけじゃない(勿論それもある)。
4人…特に可愛い後輩君達に、お渡ししたいものがあったからだ。


「先日は、月島君のお父様に、バカンスへ連れて行って貰ったそうで…」
「いつも両家のご家族の皆様から、京治達も良くして頂いてるみたいで…」

京治は僕達に何も言わないけど、黒尾君からはバカンスのお土産が届いたし、
黒尾さん(お母様)から間接的に、京治から仙台の話を聞いたと教わった。
自分の親には淡々としてるくせに、ちゃんと『お婿さん&お嫁さん』してて、
親としては嬉しい限り…京治も立派なオトナになったなぁ~

…ではなくて。
今回の本題は、親バカじゃない。


「月島君と山口君も、無事にご結婚されたんだってね…おめでとう~!」
「あっ、ありがとうございます!」

ぽぽぽっと、顔を真っ赤に染めて俯く二人…ホント~に、可愛いんだからっ!!
僕と奥様は、照れ照れする二人の頭を、京治が止めるまで撫で回し続けた。

「父さん母さん…本題。」
「あ、そうだったわ!
   いつもお世話になってる御礼と、御結婚祝として、これをお二人に…」
「黒尾家と赤葦家から…浴衣のセットだよ~」

黒尾さん経由で二人の結婚を知り、両家から御祝しようという話になった。
何を贈ればいいか…先日奥様が京治に電話で相談したら(どうやら出先?)、
「それなら…夏季限定グッズっぽく、浴衣とかどう?」と、
我が子ながら超~ナイスアイデアを出してくれたのだ(パクリ疑惑は無視!)。


「浴衣…っ!?やったねツッキー!すっごいタイムリーだよ!」
「ちょうど『浴衣イイな~』と思ってたとこ…ありがとうございます!」

どうやら、京治のアイデアは最高だったらしく(黒尾君も驚いてるぐらい)、
月島君達はめちゃくちゃ喜んでくれて、僕達も心から嬉しくなった。


「それでね、こっちが黒尾さんの…」
「お、俺にもあるんですかっ!?」
わざわざすみません…と頭を下げる黒尾君の目の前に、浴衣をバっと広げる。
それを見た黒尾君は、じっと浴衣の柄を凝視し…息を飲んだ。

「もしかして、これは…」
「黒尾家から送って頂いたのよ。お父様の…『おさがり』だそうよ。」

飲み込んだ息をグッと詰まらせながら、黒尾君は浴衣を握り締めた。
きっと、お父さんの思い出が詰まった浴衣なんだろう…僕が涙ぐんじゃった。


僕と奥様(と京治)は、潤んだ目をこっそり拭いながら、別の箱を出した。
しんみりした雰囲気を消し飛ばそうと、僕は明る~い声で皆に問い掛けた。

「あのさ、これが京治の浴衣だけど…皆はどっちがイイと思う?」
「右がお父さんのおさがりで、左が私のおさがりよ~♪」

僕の方は、普通に無難なメンズの浴衣。
奥様のは、黒に近い濃紺の生地に、赤や黄色の艶やかな菊花が咲き乱れている。
コレを着た時の奥様といったら…立ち上る色香に、外出禁止にしたぐらい。

「な…何言って…そんなの、選択の余地なんて…」
「は~い、それじゃあ一斉に指差して…京治に似合うのは、どっちかしら~?」

選択の余地なんて、どこにもない。
満場一致で左側…奥様の『おさがり』に決定した。


「安心して。ちゃんと男性用に、袖口と脇も縫い合わせてあるから。」

胸元で『おはしょり』しない分、身丈も十分長いし…
まあ、多少は短いかもしれないけど、そこはドンマイね~♪

さすがは奥様。僕にはよくわからないけど、抜かりないみたいだ。
京治は軽~く『ドンマイ♪』で片付ける奥様に、若干ゲンナリしていたが、
後輩君達の期待を込めた目と、黒尾君の「お前に似合いそうだな。」の一言で、
アッサリ受け入れてしまった…相変わらずチョロい(激可愛いという褒め言葉)。


「じゃあこれから、皆に浴衣の着付け方法を教えるわね。」
「えっ?そんなの…無理でしょ。」

お料理教室の次は、着付け教室。
まさか自分達が自力で着るとは思ってなかったみたいで、
4人は一様に驚いた顔…僕も最初は、凄く戸惑った記憶がある。

「大丈夫♪ビジネスホテルの浴衣と、大差ないんだから。」
「僕でもすぐできたから、心配いらないよ~♪」

それに、覚えておいて損はない…じゃなくて、覚えとかないと困るでしょ?
浴衣デート…外出先で間違いなく起こり得る『ラブラブイベント』で、
確実に着崩れちゃうんだから…自分達で直せなきゃ、浴衣を満喫できないわよ!

「ねぇ、月島君。浴衣姿の山口君と、わくわくお祭りデート。
  なのに、そのまま大人しく直帰…そんな超~失礼なこと、できるかしら?」
「あり得ません。『実り』を感謝するお祭りにイって、それは…冒涜です。」
「や…な、何言ってんの、ツッキーってば…っ!」

素直にキッパリ断言する月島君に、山口君は顔を真っ赤にして俯いた…けども、
着付けを習う気は満々みたいで、真剣に奥様から『御指導』を受けていた。


「想像よりも、ずっと簡単だっ…」
「はい。これなら全然、問題な…」

あっと言う間に着付けを覚えた4人。
上手にできたことを喜ぶ…途中、各々のパートナーの浴衣姿に、固まった。
4人共とってもステキだし、ウットリしちゃうのも、すっごいわかるよ~♪
僕と奥様には敵わないけど、新婚さんのデレデレ…幸せいっぱいでイイよね!

我が子達の幸せそうな姿…親にとってこれ以上に嬉しいことはないもん。
大事なお婿さんは勿論、月島君と山口君も、もはやウチの子みたいなもんだし、
4人がず~~~っとラブラブでいられるように、僕達も全力で応援しなくちゃ!


「じゃあ、今度は僕から…浴衣の時の振る舞い方を伝授するね~♪」

山口君、こっち来て…壁に手を付けて、足は肩幅で立って貰える?
そうそう、そんなカンジで、ちょっとこっち側に腰を…イイよ、そのくらい。
月島君も、山口君のすぐ傍まで来て、後ろから…しっかり見ててよ?

「浴衣でのラブラブイベントを性交…じゃなかった(いや、合ってるか)、
   成功させるコツは…浴衣を極力汚さないコトだよ!」

せっかくのステキ衣装…これが汚れちゃうと、テンション落ちまくりだから。
でも、汚れちゃうようなコトも、絶対にヤりたいし、ヤらなきゃダメでしょ?
お外で…の時は、このスタイルがオススメだよ~っていうか、コレしかないか。

月島君、山口君の裾を後ろからグイって引き上げて…ココ、持って。
それから、帯のところにキュっと挟み込んで、『後ろ』から…はいどうぞ♪

「えっ、は、はいっ!!?」
「や…え、ちょっ…!!?」

うわぁ~、山口君…すっごい脚長いね!スラ~っとしててキレイだよ~♪
細い腰に、金魚みたいなふわふわな帯が揺れて、超~可愛い…ね、月島君?

「と…父さん、なななっ、何ヤって…」
「何って、見ればわかるでしょ?あ、そうだ!見えないトコも説明しなきゃ!」


祭の余韻で盛り上がって、そのまま…っていうのが『自然の摂理』なんだけど、
浴衣の時こそ、絶対にアレを装着すること!
『ナマなのは 足とおビール あと現金(厳禁)』…赤葦家の家訓だから。

それと…手拭いも必須。手拭いは濡れてもすぐ乾くし、何かと便利なんだ。
浴衣を汚さないためには、山口君の方にも装着した方がいいんだろうけど、
それじゃあ風情がなさすぎ…だから、手拭いでホラ、こうして握って…ね?

「僕と奥様が、4人お揃いの手拭いもバッチリ用意しといたからね~」
「しかも、一回お洗濯済だから、包んだり擦ったりしても、痛くないわよ~」

月島君と山口君の胸元に、可愛い金魚柄の手拭いを差し込んであげると、
「何からナニまで…御教示ありがとうございます…」と頭を下げた。

壁に額を付けたまま、恥かしそうにしている山口君…
月島君はたくし上げた裾をそっと下ろすと、きちんと着崩れを直してあげた。
そうそう!その思いやりと労わりが重要な…後戯だから♪
僕は優しい月島君の頭を、「よくできました~♪」とイイ子イイ子した。


「はい、じゃあ次は…屋内編だね。黒尾君…ココに仰向けに寝転がって!」
「え、ココに、ですか…?」

いいからいいから!早く…そうそう。
それから、京治は両手で浴衣の裾をふわ~っと持ち上げて…
そのまま黒尾君の上に、跨って乗ってみて。あ、浴衣はそのまま持ってて!

「パッと見はフツーに『お馬さん』スタイルだけど…ちょっと違うんだ。
   乗る方は、ずっと浴衣を持ったまま…両手が使えない『手放し運転』だよ。」

実はこれ、物凄く伝統ある技法なんだ。
簡単に着物を脱げない芸者さんが、旦那さんに新年のご挨拶をする時の格好…
要するに『姫始め』のスタイルってコトになるのかな?

「雅称『孔雀の舞』…浴衣の美しい柄が、羽を広げた孔雀みたいでしょ?」

…って、今気付いたんだけど、美しい羽を持つ孔雀って、オスだけだよね?
ま、別に男だろうがΩだろうが、京治が可愛ければOK…でしょ、黒尾君?

「そっ…ソウデスネ…」
「だって!よかったね~京治?」
「………ぅん。」

外だろうと中だろうと、アレ装着が必須なのは同じだし、手拭いも…ね!
あと、浴衣の時に、絶対に忘れちゃいけないことがある…

『キレイだよ』『ステキね』と…ひたすらパートナーを褒めることっ!!
コレがなきゃ、浴衣を着る意味なんてない…イくもんもイけないから。マジで。
普段はなかなか照れ臭くて言えないコトも、浮かれた勢いで言っちゃえっ!
容姿を褒めるだけで、ココロもアソコも『キュン♪』って…効果絶大だよ~


「…以上、赤葦夫妻プレゼンツ・日本の美しいシキタリを伝える会…修了~♪」
「は~い、皆にはちゃんと、修了証を用意してあるからね~♪」

万が一、シミを付けて汚しちゃった時の対処法とか、浴衣のしまい方とかは、
そこら辺のサイトでぴゅぴゅ~っと調べて、ヌかりなく…ヌいちゃってね?

「いやぁ~、僕と奥様も、由緒とかシキタリとか伝統とか、
   皆と『酒屋談義』してみたかったんだよね~超楽しかった!」
「ノンアルコールだけど、ガッツリ酔える…赤葦家のも、イケるでしょ?」


念願だった『酒屋談義』も体験できて、大満足した僕と奥様。
ラブラブな新婚さん達に触れ合って、僕達も…仲良くしたくなってきちゃった。
チラリと奥様を見ると、同じタイミングで艶やかな流し目…ほほぅ~♪

こうしちゃいられない。僕の有給は、今日と明日と…明後日の午前中まで。
その頃には、奥様の腹痛も治まるはずだから(あくまでも予定)、
ミッチリと僕が付きっきりで…『看病』してあげなきゃね~!


「ま、そんなこんなで…僕達は出掛けるから。」
「はぁっ!?」

「今夜、近所の神社でお祭りがあるの。
   月島君達は、そのまま浴衣着て、二人で行ってらっしゃいよ~♪」
お祭り『等』を心ゆくまで楽しんだら、ウチに泊まってもいいし、
そのまま自宅へ帰って『続き』でもイイし…楽しい夜を過ごしてね?

「は…はい。その…がんばり、ます。」
「お気遣い…感謝、します。」

ぺこりと並んで頭を下げる、月島君達。
素直で可愛い仕種に、僕と奥様は思いっきり抱き着いてもみくちゃにした。
いいなぁ~、こんな可愛い後輩…僕もホントに欲しいよっ!!


「で、京治と黒尾君は…ココでゆっく~~~りするとイイよ。
   我が息子ながら、ゾクゾクする程の色気…お外に出ちゃダメだからね。」
「京治の方も、ステキな黒尾さんを独り占めしたいんでしょ?
   私達が帰るまで、二人でイイ子とかイイコトして…お留守番よろしくね♪」

僕達が気を利かせて、そそくさと出て行ってあげようとしたら、
何故か京治が目を吊り上げて(それも実に可愛い)、詰め寄って来た。

「父さんも母さんも、いつも通りヤりたい放題…勘弁してっ!」
「だって…ヤりたいんだもん。」
「『ヤる気さえ あれば何でも ヤっちまえ!』…赤葦家の家訓の通りだよ。」

いくら息子でも、僕達のラブラブを邪魔する権利は…ないから。
その代わり、僕達も皆の幸せを邪魔するような野暮は、絶対しない。

「じゃ、そういうコトで♪」
「皆さん、ステキな夜を♪」

僕と奥様は、可愛い4人にヒラヒラと手を振ってご挨拶し、
見せ付けるように仲良く腕を組み…ステキな夜へと繰り出した。



「毎度ながら…ヤりたい放題な両親で、本当にスミマセン。。。」
「いや…相変わらずラブラブで、実に微笑ましいご夫妻だよな。」

   顔を覆いながら、項垂れる赤葦。
   その肩をポンっと、慰める黒尾。

   (これが…赤葦家!!)
   (淫猥の、英才教育…)

可愛くて賢い後輩達は、全てを悟り切った表情を一切見せないまま、
静かにリビングの戸を閉め…お祭りへと向かった。





- 祭本番へ -





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※赤葦母の料理教室 →『伝家宝刀
※バカンスに… →『夜想愛夢』シリーズ
※夏季限定グッズ →『大失策!研磨先生②



2017/09/07  

 

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