奥嫉窺測(8)  ~王姫側室④(後編)







「カラダの記憶を信じる…か。」

もし俺も山口みたいに『全部』の記憶を失っていたら、
そんな風に肚を括れたか…いや、俺は山口程、強い人間じゃねぇな。


月島と山口が落ち着いた頃を見計らい、今度は黒尾が月に向かって嘆息した。
それに淡々と答えたのは、月光…ではなく、赤葦だった。

「そんなの…信じられません。」

全ての記憶を失っても、『自分の世界』を壊さず、カラダの記憶を信じる…
そんな非現実的で突拍子もないレアケースなんて、童話だけで十分です。

月島君達が置かれた特殊な環境と、二人のほとんど御伽噺的な関係性…
元々そういうカンケーで、世界の多くを共有し合っていたから可能だっただけ。
元々『何もなかった』間柄には、到底成立し得ない話です。

たとえ『カラダの記憶』をきっかけにして、元々なかったモノを知ったり、
新しい関係の萌芽に見えたとしても、ただ場の雰囲気に流されただけかも…
そう安易にカラダの記憶に左右されて、感情を素直に信じていいんでしょうか?

そんな曖昧なモノに縋らなくても、黒尾さんの『世界』は壊れませんよ。
黒尾さんは山口君みたいに、全ての記憶を失ったわけじゃないんですからね。
もっとしっかり考えて…ご自分に相応しい『世界』を選んで下さい。


「月島君達は放っておいても大丈夫…むしろそうして欲しいでしょうから、
   『大暴露大会』はこれにて終了。皆さんお疲れさまでした。」

赤葦は勝手に閉会宣言して立ち上がろうとしたが、その手を黒尾が強く掴んだ。
驚いた赤葦は強引に振りほどこうとしたが、黒尾がそれを許すはずもなく、
軽く手を引いただけで、赤葦は強制的に元の場所へ戻されてしまった。

「『カラダの記憶』に従って行動し、その結果…『感情』を自覚した場合は?」
「あれこそ『場の雰囲気』に流されただけ…それが『合理的解釈』ですよね。」

「それがお前の…本心か?」
「っ!!?それは、その…」


黒尾の質問に赤葦は答えず、口を固く閉ざしてしまった。
封じられた赤葦の内心を、無理矢理こじ開けようと、黒尾が言葉を発する前に、
二人の様子を黙って聞いていた月島と山口が、静かに割って入った。

「お二人に何があったのか…言いたくなければ、言わなくて結構です。」
「その代わりに、教えて下さい。
   どうして赤葦さんは、『親指姫』が嫌いなのか…その理由を知りたいです。」

   僕達は洗い浚い曝け出したんです。
   赤葦さんだけ逃げちゃうんですか?

言外に二人から発せられる圧力と、掴まれたままの手から伝わる握力に、
赤葦は力なく「ここからは『親指姫』考察です…」と呟いた。



「『親指姫』は、こんなカンジで始まる童話です。」

*****

独り暮らしの女性が、子どもが欲しいと魔女に頼みに行くと、
魔女は銀貨20枚と等価交換で、大麦の種をくれました。
女性がそれを植えると、大麦ではなくチューリップのような花が咲き、
何とその中には小さな女の子が…女性はその子を大切に育てました。

*****

「親指姫の価格は銀貨20枚…高いか安いか、今のレートがわからないよね〜」
「親指…一寸だったからこの値段なのかな?150cmなら銀貨1000枚だね。」
「とりあえず、独り暮らしの女性が即金で払える金額…ってことだよな。」
「旦那は不要。でも子どもは欲しいから『タネ』を買う…現代的ですね。」

この後の展開は、「息子の嫁に」とヒキガエルの母に拉致されてしまい、
ブサイクはヤダと泣いて、通りすがりの魚に助けて貰ったかと思えば、
美しく白い蝶とちょっとイイ雰囲気になったら、今度はコガネムシに誘拐され、
そいつは周りに流されるお馬鹿で、親指姫は森に捨てられてしまう…

森で野ネズミに拾って貰え、楽しく過ごしていたが、隣家の成金モグラと縁談。
それもイヤだと、以前助けたツバメに連れられ、結婚式当日に逃避行(飛行?)。
着いた先はお花畑…花の妖精のイケメン王子に見初められ、姫は求婚快諾。
親指姫を苦境から救い出したツバメは、涙を飲んで彼女を諦める。

親指姫は妖精王子から花々の間を飛び回ることができる羽を貰い、
花の女王として幸せに暮らしました。(という旨を、ツバメは方々にご報告。)


「拉致と誘拐、放浪と逃避の末に幸せな結婚…という、成功譚ですね。」
「親指姫視点ではな。だが、子どもの頃に読んだ時とは、随分印象が…」
「これが『新竹取物語』って邦題になった理由…何となくわかったよ。」
「親指姫に『選ばれる側』…男にとっては、かなりシビアな話だよね〜」

不細工や馬鹿は論外。金があっても趣味が合わないと駄目…だが美形は大歓迎。
危険を犯してまでエスケープに加担してくれた『イイ人』もフラれてしまう。
結局選ばれるのは、イケメン王子様…それ以外の男はアウトという話である。

「『親指姫』の作者は、『人魚姫』と同じアンデルセンですよ。」
「確か、自身は生涯独身…粘着質でモテない人生だったらしいね~」
「作品には作者の『人となり』が現れるっていう、強烈な例だね。」
「俺も何か創作する機会があれば、内容には充分気をつけよう。」


子どもの頃に『親指姫』を読んだ時は、小さく可愛いお姫様が幸せになる話…
そのぐらいの薄い印象しかなかったが、大人になって読むと見方が随分変わる。

親指姫はかぐや姫ほど悪意を持って、求婚者達を排除したり貶めてはいないし、
求婚者達も、家庭崩壊や没落、腰椎骨折や病死等の悲劇的末路は語られてない。

ただ、語られていないだけで、親指姫のために自宅改築したヒキガエル一家や、
仲間からディスられたコガネムシは、かなり傷付き実損を被っただろうし、
また「何もない親指姫が可哀想だ」と、金持ちとの縁談を進めた野ネズミや、
縁談を喜び、半年もかけて挙式準備をしていたモグラの損害たるや…甚大だ。

「彼女は幸せになったよ~って、ツバメは関係者各位に伝え回ったんだよね?」
「僕が野ネズミもしくはモグラなら、来たツバメに婚姻費用賠償請求するね。」
「俺が独り暮らしの女性なら、親権者として王子との婚姻無効を主張する。」
「当然ながら、拉致に関わった全員を、未成年者略取で刑事告訴しますよ。」


無理矢理連れ去られ、結婚させられてしまうのは、勿論可哀想ではある。
かぐや姫にしても、女性は望もうが望むまいが、結婚に『NO』は言えないし、
ましてや『結婚しない』という選択肢など有り得なかった時代の物語…
そのような中で、結婚に女性の意思を尊重させたという点で、衝撃作ではある。

「不遇や不運を乗り越えて、幸せな結婚を掴み取ったことは、
   『お姫様サクセスストーリー』としては上々だと思うんですが…」

俺が男だからかもしれませんが、結局男は顔と金か…と、苦々しく思いますし、
自分では何もしなかったくせに、選り好みしまくった強欲な親指姫のことを、
俺はどうしても好きになれない…全く俺の趣味に合いませんからね。
こんな面倒臭い相手と結婚するぐらいなら、生涯独身で結構ですよ。

激しい口調で親指姫に『NO』を突き付ける赤葦に、3人は絶句…
喉元まで出掛かったツッコミを、賢明なことに何とか飲み込むことができた。


赤葦は一旦ふぅ~、と息の塊を吐き出すと、少しトーンを押さえて話を続けた。

「俺以外にも、親指姫に対して好意的でない意見をお持ちの方が…もう一人。
   作者のアンデルセン自身も『親指姫お断り』だと思っていた節があります。」

無邪気にも「なんて美しい方♪」と、イケメンで金持ちの王子を選んだ親指姫。
その姫に王子は、『空を飛べる羽』を背中に付けてあげるんですけど…

「それが…ハエの羽、なんですよね。」

「は…ハエ!?ぶ~んの、ハエ!!?」
「王子の羽は蝶なのに…ですか!!?」
「よりによって、何でそんなモノを…」

自作童話の主人公である『可愛い親指サイズのお姫様』に対して、
何故アンデルセンは、汚らわしい昆虫とみなされる、ハエの羽を付けたのか?
これには、作者の女性観…モテない人生にも深く関わりそうでもあるが、
数多の昆虫の中から、あえてハエの羽を選んだのには、深い理由がありそうだ。


「アンデルセンは北欧デンマーク出身…キリスト教徒です。
   キリスト教の中で、ハエは『七つの大罪』の一つを象徴する動物なんです。」

『七つの大罪』とは、『罪そのもの』を表すと言うよりは、
人間を罪に導く可能性がある、七つの感情や欲望を示しているとされる。
傲慢、強欲、嫉妬、憤怒、色欲、暴食そして怠惰が、七つの罪源である。

それぞれの罪源には、イメージに合致するような動物が当てはめられており、
そのうち羽を持っている現存動物は、蝙蝠と孔雀とハエの3種類である。
蝙蝠と孔雀は傲慢で、ハエは暴食…『健全な思慮(節制)』という美徳の対極だ。

「親指姫は、別に暴飲暴食というわけではありませんけど、
   アレもコレも欲して選り好みしたあたりは、強欲だとも言えますね。」
「どんな種類の欲かは別にしても、ハエは欲深い昆虫っていうイメージだね。」
「俺達日本人よりも、キリスト教徒にとっては明らかなメッセージだろうな。」


好みが激しいくせに高望みして、自分では何もしないで、ただ待つばかり。
それで最後に王子様とハッピーエンドを迎えられるのは、童話のお姫様だけ…
現代風に喩えてみると、だいたいこんなカンジではなかろうか。

「身長180cm以上。偏差値70以上の大卒で、年収800万以上…最低限ねっ♪」
「勤め先は一部上場企業もしくは、難関国家資格保有で開業してないと…ね。」
「都心へのアクセスが便利な、主要ターミナル駅から徒歩10分圏内の立地に、
   持家(マンション含む)を所有…親等との同居はNGですわ。」
「ずっとお姫様扱いしてくれる、顔面偏差値80超のイケメン(のちイクメン)…
   記念日は当然、二人っきりで高級ホテルのディナーよね〜♪」

『今のレート』に換算して、親指姫的な選り好みを4人で妄想してみたが、
これがいわゆる『脳内お花畑』か…という結論で、完全に一致した。


「そんなこんなで、親指姫はまさに童話的な成功を手に入れたわけですが、
   果たしてこの後、親指姫は幸せになれたのかどうか…そこが肝心です。」

これは『親指姫』に限らず、あらゆる身分違いの王子様との超玉の輿婚…
いわば『異類婚姻譚』に共通する疑問点かつ問題点でもあります。
そしてこの点こそ、俺が親指姫含むお姫様を、好きになれない理由です。


「王子様と結婚した姫は、お妃様つまり『第一王妃』になれたんですか?
   『側室』や『愛人』…『2号』だった可能性はないんでしょうか。」




********************




「なっ!!?童話のお姫様達が…」
「側室や愛人だったって…!!?」


赤葦が提示した疑問点に、3人は「そんな馬鹿な!」と言いかけたが、
よくよく考えてみると、その可能性は全く否定できないのだ。

「同じアンデルセンの『人魚姫』も、主役の姫は王妃になれなかった…」
「むしろ、『都合のいい愛人』扱い…立場的には側室以下だね。」

たとえ運よく『第一王妃』になれたとしても、相手は一国の王子様である。
『お世継ぎを作る』ことが至上命題で、当然ながら側室を何人も持つだろう。
そのために設置されるのが、後宮…大奥というシステムである。

「唐の玄宗皇帝は、『後宮佳人三千人』と白居易の漢詩に歌われているが、
   そのうち最も寵愛したのが楊貴妃…この『貴妃』は後宮の階級名だ。」

貴妃は皇后(正妻)の次の階級である『四貴』のうちの一つで、
さらにその下に『九賓』『二十七世婦』『八十一御妻』と続く。


「シンデレラのモデルとされる楊貴妃でさえ、『一番』ではなかった…」
「身分違いの女性が、王子様とアッサリ結ばれる『ありえなさ』は…」
「『後宮システム』から考えると、充分『ありえる』話…なんですよ。」

『親指姫』にも、お花畑の花の一輪に一人ずつ妖精がいたと書かれていた。
これはまさに、妖精の王子のためのお花畑…『後宮』とも読み取れる。
歴史的に見ても、「童話の世界に後宮はなかった」とは言い切れない…
逆にない方が不自然ですらある、王国必須の権力維持装置なのだ。

「そう言えば、かぐや姫の求婚者の一人にも、正妻や側室がいたよ。」
「心を通わせた帝にだって、皇后の他に中宮や女御、更衣に御息所…」

歴史や古典の授業等で、散々習ったはずなのに。
どうして童話の世界とこの『常識』を、今まで切り離して見ていたのだろうか。
『非常識』だと思われた赤葦の指摘に、黒尾達3人はまたしても、
脳内の美しい世界が、ガラガラと音を立てて崩壊していくのを感じた。


「身分違い…分不相応な相手と結ばれるには、それ相応の理由があるんです。」

赤葦は冷淡にそう言い放つと、今度はやや自嘲気味に微笑み、小さく呟いた。

「自分には到底手の届かない相手…『王子様』を待ち望んでおきながら、
   絶対にその人の一番じゃなきゃ駄目…『2号』や『側室』は嫌なんです。」

理由はないけど欲しくてたまらない。でもそれは、分不相応な高望み。
選り好みしまくった親指姫なんかより、ずっとずっと強欲…

「それが、俺の『本性』です。」


もうお判りでしょう?
こんな欲深い親指姫に捕まっては、王子様の世界が…国が傾いてしまいます。
ちゃんとした『記憶』もない。ただ曖昧な『気のせい』に流されただけ…
親指姫と王子様の間には、元々何もないんですから。

「『一番』を望む強欲な親指姫は…王子様に相応しくありませんよ。」


吐き捨てるようにそう吐露すると、赤葦は「これで…考察終了です。」と、
か細いながらも有無を言わせぬ空気を纏った声で、一方的に宣言した。
だがそれも黒尾は許さず…先程と全く同じセリフを投げ掛けた。

「それがお前の…本心か?」


赤葦は、今度は何も答えなかった。
その代わりに、黒尾は月夜に響く明朗な声で、言葉を紡ぎ出した。

「お姫様が強欲でも…いいだろ。」

俺自身の感情はさておき、『後宮システム』には合理的な面もあると思う。
国の政を担う王…その責任の重さは、国民全員分の命の重さとイコールだ。
その負担を心身共にサポートするには、王妃一人だけじゃ到底無理…
リスクと負担を分散し、組織全体で王を支える仕組みが、後宮なんだろうな。

たった一人の女性に、王の妻・世継ぎの母・仕事上の相棒・夜の相手…
それら全てを負わせることの方が、よっぽど残酷じゃねぇか。
それよりは、政のパートナーとしての正妻、王子達の母たる側室、
職務を補助する女官に、シモの世話専門の寵妃…役割分担した方が楽だろ?

「王子様に嫁ぐのは、それだけ大変な苦労を伴う…しんどい仕事だよね~」
「悠々自適の有閑マダム的生活なんて、夢のまた夢…欲張りたくもなるよ。」

『王子様』は、永久就職先としては、とんでもないブラックかもしれないのだ。
月島と山口が、お姫様の『結婚後』に心底ゲンナリしていると、
黒尾は明るく笑いながら、話を童話から転換させた。


「ま、現代に生きるフツーの男である俺達には、関係ない話だよ。」

俺は二股三股をシフト組んでやりくり…そんな甲斐性はこれっぽっちもねぇ。
せいぜい、一生かけて『たった一人』を幸せにできるかどうか…ってとこだな。

だから、別にその相手は『お姫様』じゃなくてもいいんだ。
不器用で鈍感で、超絶お節介な性分ゆえに、貧乏くじ引きまくり…
そんな俺でも良しとし、一緒に裏方人生を楽しんでくれるような相手で、
なおかつ俺のことを一途に…強欲に想ってくれるだけで、もう充分だ。

贅沢を言うなら、『腹心』や『右腕』…『背中』を安心して預けられて、
俺の『頭脳』となってくれるような、『カラダの繋がり』があれば最高だな。


「あ、それ…僕には絶対無理ですね。どうぞ他を当たって下さい。」
「とんでもない高望み…黒尾さんも相当な『脳内お花畑』ですよ!」

親指姫も驚く黒尾の『選り好み』に、月島達はドン引き…
黒尾本人も「やっぱそうか?」と、困った顔をしながら苦笑いした。
そして、一瞬で表情と空気を引き締めると、真剣な声で断言した。

「だから俺は、もしそんな相手を見つけた時は…本気で取りに行く。」


山口ほどじゃねぇけど、俺もちょっとしたアクシデントのせいで、
約半日分の記憶がない…どうやっても取り戻せないタイプの記憶喪失なんだ。
その場に居合わせた『たった一人』が話してくれない限り、
俺はそこで何が起こったのか…決して知ることができないんだよ。

「俺に残されたのは、ある『カラダの記憶』だけだった。」

だから俺は、山口とは違う意味で『カラダの繋がり』に縋るしかなかった。
その記憶から生まれた想いを信じて行動に移すしか、方法はなかったんだ。
曖昧でも気のせいでも、絶対に欲しいと思った相手を手に入れるためなら…な。

俺は親指姫以上…山口といい勝負ができそうなぐらい、強欲だ。
キスだけじゃ到底足りない…それ以上のことだって、当然したいに決まってる。
元々そういうカンケーじゃない分、微かであやふやな『カラダの記憶』でも、
俺にとっては唯一の繋がり…何としてでも手繰り寄せたいのが、俺の本心だ。

「親指姫も呆れる程…強欲だろ?」
「えぇ…俺なんかより、ずっと。」


久々に聞いた赤葦の声には、心なしか安堵の色が含まれているようだった。
今までの赤葦からは感じたことのない、柔らかく穏やかな雰囲気…
もしかすると、『外面』に隠されていた部分が、姿を見せたのかもしれない。

月島と山口はそれを敏感に察したが、気付かないフリ…
ただ静かに、黒尾の言葉を待った。


「七つの大罪の『強欲』は…猫だよ。」

ずっと掴み続けていた手を緩めると、黒猫王子は姫の親指を優しく包み込んだ。




- 続 -

   →月王子息⑤へ(月山編最終話)
   →王姫側室⑤へ(クロ赤編最終話)




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※人魚姫について →『泡沫王子

お題は『確かに恋だった』様よりお借り致しました。


2017/11/30   

 

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