ご注意下さい!


この話は、例によって『赤葦のターン』です。
BLかつ性的な表現を、お布団の中にもっさりと包み込んでおります。
18歳未満の方、性描写が苦手な方は、 閲覧をお控え下さい。
(閲覧により不快感を抱かれた場合、黒尾法務事務所では責任を負いかねます。)



    それでもOK!な方  →
コチラをどうぞ。



























































    同床!?研磨先生⑤







山口に代わって、ソフレ体験会場に入って来た赤葦は、
一切目を合わせず、一言も言葉を発しないまま、いきなり布団を捲り上げた。

驚き怯む、研磨先生。
身を守ろうとする腕を赤葦は掴むと、クルリと方向転換…
その背を先生の腹にピッタリと引っ付けて、掴んだ腕を抱き込んだ。

これは、『背後から抱き込み型』…突然赤葦を抱き込まされた研磨先生は、
とりあえず、布団…と小声で言って腕を離させ、腰付近まで掛けた。

作業を終えた手のやり所に悩み、宙を彷徨わせていると、再びその手を捕まれ、
赤葦の柔らかい腿の間に、ガッチリと固定されてしまった。


確かに、背中側から覆い被さって抱き込んだ時には、
ここに手を挟んで固定すると、体勢が安定して楽チンなのは、間違いない。
お互いに視線を合わせなくてすむという点も、助かると言えば助かる。

おそらく、赤葦達がこの居間や和室でゴロゴロ添寝する時に、
いつもこのポーズが基本…慣れた格好ということなのだろうが、
それが余計に生々しく感じ、声を出せないうちに、赤葦に主導権を握られた。

そして、警戒していたにも関わらず、前回の手痛い教訓を全く生かせないまま、
赤葦に『ミニシアター』を始めさせてしまった。




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梟谷学園バレー部副主将兼、雑務担当兼事務総長兼、猛獣使い(飼育委員)。
様々な肩書が勝手に加算されていく赤葦に、この度新たな称号が付与された。

    『黒尾の抱き枕』

この称号に到るまで、『抱き枕』ではなく、ダッ○ワイフやラブ○ール等、
様々な案が出されたのだが、梟谷・音駒双方の監督からダメ出しを喰らった。
…それじゃあ赤葦が可哀想すぎるから、せめてセフレぐらいにしてやれ、と。

とは言え、『監督推薦セフレ』という文言は、教育上大変宜しくないため、
よりソフトで、おそらく一番適切な表現である『抱き枕』に落ち着いた。


周りのモノを手当たり次第抱き枕にし、組み伏してしまうという、
黒尾の特殊かつ大迷惑な寝相に、音駒の面々は辟易していた。
重いし暑いし息苦しい…というだけでも迷惑極まりないのだが、
『ムダにいいカラダ』に抱かれると、その『人タラシ』オーラも相まって、
何かもう…変な意味でドキドキしてしまい、色んなイミで危機を感じるのだ。

だから合宿中は、いつも黒尾を隔離するような形で、周りに鞄等を置きまくり、
さらには『黒尾の隣』を持ち回り制にするという、完全防御態勢を取っていた。
そんな黒尾が、『お気に入りの抱き枕』を発見…音駒メンツは拍手喝采した。


対する梟谷の方でも、この事態は『渡りに舟』と、大歓迎された。
小姑が、小煩い口と、全てを見透かす瞳を閉じた瞬間、ガラリと雰囲気が一変…
何をどう表現したらいいのかわからないが、とにかく…ヤらしいのだ。
『ムダにエロいオーラ』にあてられ、妙~にソワソワ落ち着かない。
健康優良な男子高校生、しかも合宿禁欲中には、劇薬以外の何物でもなかった。

そのため梟谷では、できるだけその淫猥な寝姿を見ないですむように、
赤葦よりも先に寝る作戦…仕事を山ほど押し付けて、荷物に埋もれさせていた。
そんな赤葦を、すっぽり覆い隠す便利な奴が出現…こちらも盛大に安堵した。


この『臭い物に蓋』ならぬ、『エロい穴に栓』なクロ赤コンビの添寝により、
当事者二人は絶好調を維持…雑務処理能力が格段に向上しただけでなく、
副次的に、両チーム全員の状態も、様々な意味で安定し、
誰にとっても損はない、まさにwin-winの関係が、奇跡的に成立した。

一番得をしたのは、他ならぬ監督達…
というわけで、あの合宿以降も、二人は何やかんやと不測の事態に見舞われ、
(誰かが粗相をして、布団が足りないだの、急遽仕事を頼まれたりだの…)
合宿の度に、添寝を余儀なくされる状況に追い込まれていた。

本人達の与り知らぬところで、『監督推薦ソフレ』として、
強引に『二人セット』にされ続け、面倒な仕事をこなし続けた、黒尾と赤葦…
最初は誰もが「してやったり♪」と、ほくそ笑んでいたが、
安寧の時代は、そう長く続かなかった。

添寝回数を重ねる毎に、ソフレコンビの様子が徐々に変わって来たことに、
本人達が気付かないうちに、周りの全員が気付き…作戦ミスに頭を抱えていた。

   二人きりで過ごす時間(雑務)の増加。
   似たような立場の、似た性格の相手。
   将の器を持つ黒尾、天性の参謀赤葦。

…これで「惹かれ合うな」という方が、無理な話である。


意識のあるうち…起きている間も、互いの人柄に、魅力を感じてしまう。
その上、無意識の間には、『ムダにいいカラダ』に抱かれ続け、
『ムダにエロいオーラ』を浴び続ける…本能レベルで惹かれて当然だった。

誰がどう見ても、お似合いの二人。
ソフレをきっかけに、『それ以上』の仲になれれば、万々歳…
だが、ここで障害になったのが、二人の性格と『ソフレ』という言葉だった。


周りの全員が、二人の『変わり始めたキモチ』を感じ取っていたのに、
当事者達だけが超鈍感で、なかなか自分の気持ちに気付かなかった。
散々お膳立てしてやって、ようやく自覚し始めたと思ったら、
今度はその気持ちを、無理矢理封印…頑なにそこから目を背けてしまった。

ライバル校の主将・副主将という立場から、安易に想いを伝えられない。
根が真面目な分、相手の負担になってはいけないと、強く自制してしまう。

そして何よりも、恋愛感情は『ソフレ』には御法度…
この淡い気持ちを認めてしまえば、もう一緒に床に就くことは許されず、
心地良い添寝の時間…二人にとって癒しの時間も、失われてしまうのだ。

合宿中にしか逢えない。二人きりになれても、『業務中』という枠内だ。
やっと寝られる…やっと落ち着く時間だったはずの『ソフレ』も、
相手への想いが募れば募るほど、その想いを抑え、隠し続けなければならず、
癒しには程遠い、苦しさに耐える時間になってしまった。

   できるだけ長く、一緒に居たい。
   でも、添寝の時間が、今は辛い。
   本当に…好きで好きで堪らない。
   好きだからこそ…認められない。

布団の中にも隠し切れない想いは、本人達以上に、周りに伝わってきた。


安易に面倒を押し付けたせいで。
面白半分にくっ付けようとしたせいで。
誰よりも責任感が強く、勤勉で忍耐強い二人に、辛い想いをさせてしまった。

   (すまん…黒尾、赤葦。)
   (お前らの性格、わかってたのに…)
   (切なくて、苦しい…ゴメンな。)

『ソフレ』の実態が、こんなにしんどいものだなんて、思いもしなかった。
ソフレ関係を続けられるぐらい心地良い相手ほど、余計に愛着がわきやすく、
続ければ続けるほど、その愛着は愛情に変わり易い。
そして、愛情を自覚したら最後、もうソフレ関係は続けられない…

好きにならざるを得ない相手を、好きになってはいけない。
それが、相性の良い『ソフレ』の持つ、辛く悲しいジレンマなのだろう。


もうソフレはやめて、自由になれ…誰もがそう言いたくて、言えなかった。
自分達がソフレをすると、合宿が上手く回ることも熟知している二人は、
ひたすら自分を抑え続け、周りを優先する道を選択してしまうだろう。

そして、どんなに相手を想っているか、あからさまなほどにバレバレでも、
他人の『心の中』を、外野が一方的に決めることはできない…
本人達が『恋愛感情を持った』と認めない限り、解消する理由がないのだ。


黒尾と赤葦だけでなく、周りの皆も罪悪感に心が押し潰されそうになっていた。
この状況を、何とか打破しなければ、双方共倒れ…

どうしたものかと誰もが頭を抱える中、このどん詰まり状態を打開したのは、
布団の中で、起きた…ごく『自然』なものだった。



   (ん…お、重いっ)

首元を覆う布団…ではなく、逞しい腕を少し下げ、窓から外を見上げると、
まだ夜明け前…ほんのりと空に明るさが戻ってきた時間のようだった。
合宿中も、大抵一番に目覚め、その日の準備等に取り掛かるが、
さすがに起き上がるにも、まだまだ早すぎる…あと1時間半程寝られそうだ。

だが、アタマはスッキリ目覚めていた。
アタマと同じく、カラダの方も起きていたが、こちらはスッキリの真逆…
別の意味で『起きて』しまっていた。

要するに朝勃ち…生理現象だ。
男なら誰でも起こる、至って正常かつ健康な状況であり、何ら驚くこともない。
自宅であれば、そのまま適切に処理…スッキリした所で、二度寝も可だ。

合宿中でも、こっそりと然るべき場所へ行き、然るべき処理を行えば良い…
ここに居る誰もが一度は経験し、誰もが行っている、ごく普通のことだ。


しかし、今はその『普通のこと』をするのが、非常に難しい状況だった。
ガッチリと抱き込まれ、布団から出ようにも出られず、出そうにも出せず…
自由に動かせるのは、右腕の肘から先とアタマの中、あとは口ぐらいである。

   (こんなにしっかり、抱かれ…っ)

何気なくアタマに浮かんだ言葉に、カッとカラダが熱くなる。
密着した頬から、その熱が伝わってしまいそうな気がして、慌てて息を飲む。

   (何とか、収まってくれ…)

これは生理現象。不可抗力。
だとしても、こんなに密着した状態で、しかも黒尾さんに知られてしまうのは、
恥ずかしくてたまらない…いや、知られてはいけないのだ。

   (本当にこれは、朝勃ち…?)

仕方ないこととは言え、俺は今、密かに想う人に組み敷かれ、抱かれた状態だ。
無意識の内に、カラダがココロに反応してしまった可能性も、否定できない…
コレこそまさに『恋愛感情』の証拠だと言われてしまえば、
それを覆すことは、ほぼ不可能…生理現象との線引きは、できないのだ。


同じ男だから、朝勃ちが自然の摂理だということは、充分わかってくれるはず。
それに、恋愛感情が『ある』ということも、他人には証明が難しいから、
この状態を黒尾さんに見られても、「違います。」と反論できるだろう。

とは言え、やはり知られない方が良いに決まっているのだが…
収まるのを待とうにも、一度意識してしまった『抱かれた状態』に、
収まるどころか、その逆方向へ…上から圧迫され、かなり重くてツラいのだ。

重さと痛みから少しでも逃れようと、僅かに身動ぎしてみたが、
熱いカラダに強く擦り付ける結果に…もっと収まりがつかなくなってきた。
その圧迫と摩擦が、まだ覚醒してなかった快感を呼び起こしてしまい、
『束縛から逃れる』以外の目的で、腰が自然に動いてしまうのだ。

   (このままじゃ…マズいっ)

ただでさえ、精神的にギリギリなのだ。コッチまで耐える余地は、残ってない。
バレるリスクはあるが、黒尾さんを起こして、退いて貰うしかない。


「くろお、さん…」

頬同士が密着しているため、ちょうど唇が黒尾さんの耳朶に当たっている。
ごくごく微かに囁くだけで、黒尾さんのアタマの中に、直接声が届く位置…
覚醒間近だったのだろうか、思惑通りにすんなりと目を覚ましてくれたようだ。

「ん…?」
「あっ…」

ほんの少し、黒尾さんが微動し、その動きが昂る部分を擦り…声が漏れた。
熱の籠った声と、触れた硬い部分は、この密着では隠しようもなく、
一瞬で全てを悟った黒尾さんは、ゴクリと喉を鳴らしながら、
体勢はそのままに、腰の部分だけを、軽く宙に浮かせてくれた。

重さから解放され、ホッと一息付いたところで、耳を疑う言葉が聞こえてきた。


「ツラそうだな…出していいぞ?」
「は?えっ、ちょ、なっ、何を…」

何言ってんですか、あなたは…っ!?
ここで、この状態で…はぁっ?

…と、アタマの中では盛大に叫んでいたが、周りを起こすわけにもいかない。
どうすべきか逡巡していると、耳許に吐息だけで囁かれた。

「この体勢なら、俺の下で赤葦が処理しても…絶対バレねぇよ。」
皆がまだ寝てる今のうちに…済ませておいた方がいいだろ?

ほら、早く…と促すように、勃ち上がった部分を上からグイグイと刺激される。
両肘で体重支えてるから、俺もそんなに長くは保たねぇ…だから、早く、な?


本当は、無理だと言うべきだ。
でも、ギリギリな部分を、絶妙な圧力と摩擦で圧されてしまうと、
もう抗うことなど不可能…そろりそろりと手を下に伸ばし、熱に触れた。

その時手に感じたのは、掌の中の自分の熱と…手の甲に触れた、自分以外の熱。
そこでようやく、黒尾さんも俺と全く同じ状態だったこと、そして、
先程から自身を促し、刺激していたものが何だったのか、やっと気付いた。

「あ…っ、黒尾、さん…もっ?」
「生理現象…普通のことだろ…」

アタマに直接響いてくる声からは、余裕のなさがはっきり伝わってくる。
黒尾さんの方も、俺と同じ…ギリギリの状態なのだ。


こんなに密着していたら、自身を処理する動きで、黒尾さんにも触れてしまい、
中途半端な刺激として、黒尾さんにはツラい思いをさせてしまうし、
何よりも、自分だけがスッキリしてしまうのは、申し訳なさすぎる。

黒尾さんは今、俺のためにキツい体勢を維持し、周りから隠してくれている。
俺のために、両手は塞がり…黒尾さん自身は、何もできないのだ。

だとすれば、俺が黒尾さんのためにできることは…?


俺は黒尾さんのズボンから、硬くなった部分をそっと引き出し、
同じように出した自分のモノと一緒に、手で包み込み、動かし始めた。

「っ!?あ、赤葦…っ?何を…」
「こちらは、俺に…任せて…っ」

俺の行為に驚いた様子だったが、黒尾さんはすぐに余分な力を抜き、
小声で「正直、助かる…」と、吐息の塊と共に呟いた。

手を上下する動きで響く、シュルシュルという衣擦れ音や、
湿り気を帯び、クチュクチュと滑る熱の音に、高まる鼓動と、荒い呼気の音…
それらが外に漏れないように、最小限だけしか手を動かせず、焦ったさが募る。
その反面、中に押し込めようと堪える吐息が、互いの耳に直接吹き込んでくる。

「もうちょっと、強く…頼むっ」
「これ以上は、無理…ですよっ」

強烈に煽られるのに、細やかな手の動きだけでは、達するほどの刺激はない…
まるで、今の自分達の心境を表すかのような焦ったさに、涙が滲んでくる。

   もっと一緒に、気持ち良くなりたい。
   自由に動き回り、強く抱き合いたい。
   溢れる想いを、思いっきり伝えたい…

込み上げるものを必死に抑えようと、唇をギュっと噛み締める。
こんなんじゃ、イけない…せめて生理的なツラさだけでも解放させたくて、
制限のある手の動きだけでは物足りない熱を、何とか補うべく、
自由に動かせる唯一のモノを、二人は自然と使い始めた。


ピタリと貼り付けていた互いの頬を、僅かに離し、ずらしていく。
そして、頬の代わりに触れた柔らかい唇を、夢中で貪り合い、
そのうちすぐに、固く閉じていた唇を開き、深く舌を絡ませ始めた。

   (キス…凄い、気持ちイイ…っ)
   (もう…ガマン、できねぇよ…)

手が使えない、言葉にできない…自由がきかないもどかしさを、キスに託す。
アタマの中だけじゃなく、カラダの芯から熱を引き出し、
ココロの底に隠して続けた想いすら、唇が吸い上げ、舌が露わにしていく。

   (ホントにもう…ダメ、だっ)
   (これ以上…耐えられないっ)

初めて知ったキスの甘さと、一緒に頂を目指す快感…その歓びと共に、
二人は自分の気持ちと、一線を超えてしまった事実を、認めるしかなかった。


「今日で…『ソフレ』は終わりだな。」
「今まで…ありがとうございました。」

静かに起き上がり、布団と部屋から出て行った黒尾。
一人では大き過ぎる布団の隙間に、赤葦はそっと嗚咽を漏らした。




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「ソフレの一番の問題点は、まさにこれですよね。」

朝勃ち…つまり、夜間陰茎勃起現象は、浅い眠りのレム睡眠中に起こります。
深い眠りのノンレム睡眠と、約90分周期で交互にやってくるため、
寝ている間に4~6回は、この状態になる可能性が高いそうです。

海綿体に新鮮な血液を送り、柔軟性を維持するメンテナンス機能…
眠りの浅いレム睡眠時に起床するので、朝勃ちには気付きやすいのですが、
健康な男性なら、一晩に何度も…ないと逆に困る、大切な生理現象です。

ただ、性的興奮を示す状態との区別をつけることはできませんし、
女性にはこれが『普通のこと』とは、なかなか理解して貰えません。
それに、外からは見えない『恋愛感情』を明示する、唯一の手掛かりでもあり、
男女のソフレの場合は特に、朝勃ちを相手に気付かれることで、
ソフレ解消のきっかけとなりうる…男性側には頭の痛い問題です。

「『ない』ことの証明は、誰にもできない…でも、あったら終わりなんです。」


いわゆる『疲れマラ』も、夜間陰茎勃起現象のひとつと言われています。
昔は、極度の疲れから、カラダが生命の危機を感じ、子孫を残そうとする…
なんて俗説がありましたが、実際はカテコールアミンの影響です。

カテコールアミンとは、ノルアドレナリンやアドレナリン…
疲れている時にカラダを激励する、神経を興奮させる副腎髄質ホルモンです。
血管を収縮させ、血圧を上昇させる…これが勃起を促します。

このカテコールアミンは、精神的・肉体的な疲れがあると出やすいため、
スポーツの合宿中なんて、特に朝勃ちしやすい状況です。

そして、精神的に疲れているからこそ、人肌に癒されたいと願う…
ソフレをしたいと思っている人も、スポーツ合宿と似た状況と言えるんですよ。


ソフレは夜間陰茎勃起現象が起きやすい上、それが解消事由になりやすい…
生理的な意味でも、実に厄介なジレンマを抱えているということです。

ソフレを継続できる程の相手…リラックスも勃起を促します。
そして、この密着ぶり。男性側が『背後から抱き込み』をしやすい体勢では、
熱くて硬いモノが当たる…『大きくなる動き』すら、全部わかります。


「孤爪師匠がどう『変化』するか…まさに『繋がる部分』で察知しますよ。」
「逆に、赤葦の『変化』も、こうして腿に手を挟んでいたら…バレバレだね。」

ようやく声を出せた研磨先生は、柔らかい腿から手を引き抜きながら、
赤葦からも身を離し…布団の外までカラダを出し、体験会終了を示した。


赤葦の言いたかったことは、これ以上ないぐらい、よ~くわかった。
リアルさハンパない、切なさ溢れるミニシアターも、悪くなかった。
でも、そのシアターの本旨…考察の中心が『朝勃ち』と『疲れマラ』って、
情緒も何もあったもんじゃない…感動が台無しなんだけど。
ついでに言うと、俗語よりも正式な医学用語の方が、何かヤらしいし。

…と、赤葦に言いたいことは山ほどあったのだが、
師匠が愛弟子に教示できたのは、次の一点のみだった。

「次からは、しょーもない考察の後に、ミニシアター…って順にしてくれる?」


師匠の有難い教えに、愛弟子は「了解致しました」と、丁寧に頭を下げ、
一度も目を合わせないままに、会場から出て行ってしまった。


「俺、赤葦とは絶対…ソフレにはなれそうにないんだけど。」




- ⑥へGO! -




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※前回の手痛い教訓 →『的中!?研磨先生④


2017/07/13  

 

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