教えて!研磨先生③







「まず最初に、攻略人数なんだけど…俺の調査によると、5~6人が平均。」
応接テーブルに大きめの紙を広げると、
研磨先生は早速具体的なゲームの枠組みを語り始めた。

「『HQ!』の登場人物って…結構多いよね?その中から6人か…」
「攻略対象に選ばれるのは、かなりの難関ということだね。」
「その選別には、明確な『基準』が必要…でしょうね。」

最低限、攻略対象として必要な要素は…?先生の問いには、黒尾が即答した。
「①そこそこの容姿、②キャラが立っている、③ストーリー性…かな。」
パッとしない見た目だと、そもそもアウト。そして、他にはない強い個性。
その上で、他キャラとの関係性等、ストーリーを構築できるか?という点。
このことから導き出されるのは…

「『主人公』と関わりが深く、登場回数の多い人が、圧倒的有利だね。」
「ということはつまり、本誌での『人気投票』とも相関関係がある…」
「そもそも、その①~③が備わってないと、人気キャラではないですし。」

真面目に考察する山口・月島・赤葦に、研磨先生は「その通り」と首肯した。
そして、次に必要となる『要素』について、話を進めた。
「キャラには、それぞれ『属性』というものがあるよね?」
言い換えれば、『どんなタイプの人間か?』という、性格を大まかに表すものだ。
女性キャラで例えるなら、清楚系・お色気系・ギャル系・妹系…等だ。

人の好みは様々…だが、ある程度メジャーな(人気な)属性は決まっており、
攻略対象が少ない程、メジャーな属性を選択する必要がある。
「成程…キャラの『属性』が被らないこと…これも大事な『基準』だな。」

ここまでの基準を踏まえると、どんなストーリーのゲームになるにせよ、
ほぼ間違いなく『出演確定』なキャラが、まず一人存在する。
「容姿端麗・キラキラした華と抜群の個性…『モテ系王子様』と言えば?」
「青城の大王様…『及川徹』だっ!」
俺が実際にプレイしたものでも、ほぼ全作に『モテ系王子様』が出て来た。
大抵が軟派な奴なんだけど…文字通り『王道!』な展開が用意されている。

そう言うと、研磨先生は目を閉じて深呼吸し…声色を変えた。

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いつもたくさんの取り巻きに囲まれている彼。
引く手あまた、選り取り見取り…いつだって『相手』に苦労していない。
でも、そのせいで、『本気の恋』は…未経験。

そんな彼が、どうして私なんかを…ふざけるのもいい加減にして。
貴方の言葉なんて、信じられないっ!

「本当に好きになったのは…君が初めてなんだ。」


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「これは…間違いなく『王道!』だよっ!!」
「その『キメ台詞』が似合うのも、『及川徹』だけですね。」
「『王道』とは即ち、メジャーのこと…外せませんね。」
「っつーか研磨、お前…その演技力に俺は心底驚いた。」

他と競合しない、強烈なキャラクター。
そして、影山との師弟関係や、岩泉との腐れ縁、牛島とのライバル関係…
「これでもか!」というぐらい、ストーリー構築の『素材』が盛り沢山。
恐らく、『HQ!』の登場人物で、最も『ネタに事欠かない』キャラであろう。

「そう言えば、『HQ!』の検索サーチの人気カプランキングも…」
「『及川徹』絡みが、1位と2位だったね。」
「『二次創作で人気のキャラ』というのも、補助的な基準になりそうですね。」
「さっきの①~③の要素は、そのまま『二次人気キャラ』に当てはまるしな。」

ド定番の『モテ系王子様』の属性には、『及川徹』しか有り得ない。
研磨先生の『一人目』の提案は、満場一致で可決された。




- ④へGO! -


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<研磨先生プチ調査>
『HQNavi!!』の人気カプランキング(2017/02/27現在)
・第1位…及川徹×岩泉一(21件)
・第2位…岩泉一×及川徹(19件)
未調査だが、おそらくPixivでの投稿数も、これに比例すると思われる。


2017/02/27    (2017/02/11分 MEMO小咄より移設)

 

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