ご注意下さい!


この話はBLかつ性的な表現を含んでおります。
18歳未満の方、性描写が苦手な方は、 閲覧をお控え下さい。
(閲覧により不快感を抱かれた場合、責任を負いかねます。)




    それでもOK!な方  →
コチラをどうぞ。



























































    鮮烈挟入 (PK戦)







黒尾が紡いだ『初戀物語』には、決定的に欠けている視点がある…
しかも、それはわざと決定機を外したものであると、赤葦は容赦なく追及した。

月島と山口の二人も、その点については気付いていた。
だからこそ、当たり障りのない模範的なコメントに止めておいたのだが、
『VAR』はそれを許さず、PK戦でキッチリとキめろと要求してきた。

これは毎度ながらの、非常にマズいパターン…赤葦暴走の危機なのだが、
今回は赤葦ではなく、黒尾にその役目を譲った(強要した)ことで、
月島達はつい油断…グッズ考察系ミニシアターを始めさせてしまった。



*****



「俺は、このままじゃ…いやです。」


赤葦は黒尾の手を握った力を一旦緩め、その手をどうすべきか彷徨わせ…
しばらく逡巡した後で、踏ん切りをつけてもう一度握り直そうとした。

だが黒尾の手は、赤葦の手から逃れ…赤葦がそれに驚いてビクついた隙を狙い、
今度は黒尾の方から赤葦の手をギュっと捕まえ、指に指をしっかりと絡めた。
そして、赤葦を安心させるかのように、モキュモキュと指間を挟んで刺激した。

   隙間なく重なる、お互いの手と手。
   その中で密着する、黒と赤のイシ。
   挟み合った中で、伝え合う…意思。

包み合った手の温もりと、指を挟む度に中で動き回る『赤と黒』に刺激され、
赤葦は目を閉じたまま、身を預けた黒尾の首元にぽそぽそと言葉を零し始めた。


「俺よりも、黒尾さんにとって嫌な話かもしれませんが…」

最近、俺は凄く調子が良いんです。
黒尾さんに様々なことを教わったおかげで、『飼育委員』としてスキルアップ…
ムチさばき?を監督にも絶賛され、近々1軍にも上がれそうです。

監督だけでなく、先輩方の多くが俺の成長を涙ながらに?喜んで下さって、
俺を黒尾さんに預けたのは、ウチとしては大成功だったと…断言しています。

「改めまして、色々とご教示頂き…ありがとうございます。」
「いや俺の方こそ、お前の役に立てて…本当に良かったよ。」

黒尾は嬉しそうに微笑み、よく頑張ったな…と、赤葦の頭を優しく撫でた。
だが赤葦は、なぜだか重々しいため息を吐き、声のトーンをもう一段落とした。


「梟谷バレー部の戦略としては大成功でも、『大作戦』は大失敗ではないのか?
   実は、そういう(やたらデカい声の)意見もあったんです。」

おい、ちょっと待てよ!俺はまだ、全っっっ然ナットクしてねぇからなっ!!
黒尾に赤葦を預けたのは、ムチ振るうのを上達させるためじゃなかっただろ!?
本当の目的は、赤葦にスキを作ってスキだらけにしてしまうこと…
少しでも『可愛げのある赤葦』を作ろうぜ〜!っていう話だったじゃねぇか!

確かに、赤葦がウチにとって、とてつもなく助かる力を身に着けつつあるのは、
俺も野生のカン?的なヤツで、ガクガクブルブル~ってわかってるけど、
飼育委員だか参謀だかに成長したって、赤葦自身にはイイコトなんて何もねぇ。
スキを作れなきゃ、お先マックラ…ガッチガチの可愛くねぇ大姑になるだけだ!

それに、今のままだとイイコトなしなのは、黒尾だって同じだろ?
アイツにもスキが作れなきゃあ、俺達は生意気なコーハイを押し付けただけ…
大大大~~~好きな黒尾に、メーワクかけまくってるだけなんだぞっ!?

俺は絶対に認めねぇ…
赤葦と黒尾の両方に、ちゃんとスキができてねぇうちは、
赤葦の『お見合い♡大作戦』が、セイコウしたとは言わせねぇからなっ!!


「とまぁ、こんなカンジで(約1名が)大騒ぎ…それはどうでもいいのですが、
   俺はその喚きの中から、ある『重要な点』に気付いてしまったんです。」

俺自身としては、自分の中に今まで存在していなかったモノ…『スキ』ができ、
イライラすることも減り、随分と心にも生活にも余裕ができたと思っています。

でも、外から見ればまだ全然足りない…
たとえ『猛獣使い』テクを習得しても、それ以外の部分はガッチガチのままで、
未だに『可愛げ』が見える程の『スキ』は、達成できていないんです。

「梟谷は…俺はただ、黒尾さんを都合よく利用しただけです。」


そうとわかっているのに、俺は黒尾さんにもっと甘え、優しさにつけ込んで、
外からでもクリアに見えるぐらい、大きな『スキ』を作りたいと願ってしまう…
出逢った瞬間に、俺のナカにズドン!と『スキ』をぶち開けた黒尾さんに、
もっともっと、色んな『スキ』の作り方を、教えて欲しいなぁ…って。

外からははっきり見えなくても、ナカには鮮明な『もっと』という欲が…
強欲で甘ったれな俺が、隙間に隠れながら、機会を狙っていたんです。

「そんな自分のナカに気付いて…嫌になってしまいました。」


というわけですので、黒尾さんがベッタベタに甘やかしている『子猫』は、
母猫が思っている以上に狡猾…やんちゃ盛りの、好奇心のカタマリなんです。

「そのイき過ぎた親切心で、寝首を掻かれないように…お気を付け下さいね。」

赤葦はそう言うと、子猫が母猫に甘えるように、頭を喉元にスリスリ…
そして、ほんの僅かにカプリ…と、黒尾の頸筋に歯を立てる仕種をした。


「気を付けた方がいいのは…可愛い過ぎる子猫の側だと、俺は思うんだがな。」

まるで母猫が子猫を運ぶように、黒尾は赤葦の首根っこを唇で食むと、
驚き飛び跳ねる赤葦を軽々と抱え上げ、人目につかない場所へと運び込んだ。

二人が一局打っていたのは、合宿所の中でも元々人の気配が少ない場所…
非常階段下の簡易な物置のような、こじんまりとしたスペースを借りていた。
その目の前の扉を開けて入った狭く暗い場所は、どうやら機械室らしく、
さっきよりも更に人の気配がない、受水槽やポンプの音が時折響く部屋だった。


「俺は偉大なる母猫じゃねぇからな。
   自分に『イイコト』がなければ、無償の愛なんて注ぎ続けるわけないだろ。」

赤葦を文字通り『猫っ可愛がり』してんのは、ただ単に俺がそうしたいだけ…
一応、梟谷さんからの依頼や、ウチの監督からの指令って建前があったから、
それに乗じつつも…これでもかなりセーブしまくってたつもりなんだよ。

ゆっくり時間をかけて、少しずつ見えてきた『赤』の隙間をじわじわ広げて、
その空いた所を『黒』で埋めるかのように、『赤』のナカに侵入し続けたんだ。
そう、まるで…黒石で赤の陣地を徐々に突き崩し、黒で染め上げるように…

「赤葦が無防備な子猫ちゃんになるのを、虎視眈々と待っていた…化猫だ。」


入口から死角の位置…受水槽と自分の間に、赤葦を挟むようにして立たせる。
瞬きもせずに見つめ合ったまま、少しずつ距離を縮めていき、
鼻先が触れ合ったところで、赤葦はそっと瞳を閉じて『待機』したが、
予想とは違う部分…耳朶に感触が降りてきて、思わず黒尾にしがみ付いた。

「母猫が子猫には教えないコト…『適度なヌき』を、教えてやるよ。」

腿の間に腿を割り込まれ、素肌にジャージ越しの体温を感じる。
たったそれだけでも、体温以上の熱い何かがじんわりと全身を浸し始め…
未知への期待と恐怖を隠すように、赤葦は黒尾との距離を更に詰めた。


「いつコレを教えて下さるのかと…ずっと待ち構えていたんですよ?」

体力等が有り余る、男子高校生…溜まったストレスやら何やらは、
健康的に『スッキリ発散』させるべし!ですよね?

体育会系合宿の恒例行事…先輩から後輩への『ありがたい教え』だそうですが、
あいにく俺は、黒尾さんと一局打っていて、その機会をずっと逃しています。
きっと今頃、梟谷も音駒も…『スッキリ大会』の真っ最中かもしれませんね。

「教えて…頂けますね?」


「全部俺に…任せとけ。」

…って、カッコつけてみたのはいいんだが、俺も他人に教えた経験はないんだ。
さすがの俺も、ココまで世話を焼くことはねぇし、合宿中も囲碁ばっかだしな。
だから、あんま期待されても困るが、捕って喰いもしねぇから…安心しろ。

黒尾はニカっと笑うと、赤葦の頭をわしゃわしゃ…
その柔らかい笑顔と朗らかな声に、赤葦も相好を崩し、ふんわり微笑み返した。

「この緩急の使い分けが…『スキ』を大きくしていくんですよね。」
「バレーもサッカーも、囲碁も…『対人関係』は全部同じだよな。」



わしゃわしゃ頭を掻き回していた手が、ゆるゆると髪を撫でる動きに変わり、
その優しく温かい手が、肩、背中、腕、腰…行きつ戻りつしながら降りてくる。

母猫の毛づくろいのような愛情溢れる仕種に、ほど良く緊張も解けてきて…
赤葦も子猫になりきって、黒尾の肩口に鼻先を擦り寄せて甘えてみせた。

腰から腿へと、手が滑り降りる。
薄手の白い短パンを通り過ぎ、素肌に触れそうになったところで、
黒尾は一度動きを止めて重心を落とし、床面に膝を着いた。
そして、赤葦の腰付近に頬を当てながら、短パンの布地を軽く引っ張った。


「前から思ってたんだが…この白、下が透けて見えるよな。」

試合や練習中は、黒のアンダーを下着の上に履いてるんだろうけど、
風呂上がりとかのラフな時は、そんな拘束具は当然付けていないし、
碁を打つのに向かい合って座ってると、透け透けに加えて裾からもチラチラ…

「赤葦、お前…いつも赤パンツか?」
「合宿中は…赤が指定パンツです。」

と言っても、それは俺限定でして。
誰かが忘れ物をした際に、所有者名をマジマジと確認しなくてもいいように、
パンツだけは「誰のモノか?」が一目で判別できるように、決めているんです。
例えば、兎や竜(辰)の絵が描かれているモノ、葉っぱ柄のモノ、そして赤…

「兎柄のだけで…良くねぇか?」
「そこは…スルーして下さい。」

梟谷の『パンツルール』に、お前らホントに仲が良いよな~と、黒尾は笑った。
その頬の動きが、触れた腰部分に直接伝わり…赤葦は軽く息を飲んだ。


   他愛ないお喋りは…終わり。
   会話を止め…手指を動かす。

キュっと細く引き締まった足首から、綺麗な筋肉がついたふくらはぎへ。
合宿で疲労した部分を揉み解し、血液を心臓へ返すように、上へ上へと摩る。
掌の真ん中で、膝頭をクルクル…そのくすぐったさに赤葦が身を捩ると、
黒尾はやや強めに太腿を擦り、白い短パンの裾側から手をナカに滑り込ませた。

   白と赤の隙間で、速度を落とす。
   赤の上から、カタチを確かめて。
   ナカの手の動きが、白に透ける。


さっきまで腰に頬を付けていたはずなのに、いつの間にかそこから顔を離し、
じっとこちらを見上げながら、隙間のナカで手をゆっくり行き来させる。

初めて他人にソコに触れられ、緩やかな刺激を与えられ…
すぐにカタチを変えてしまった自身が、腰側の隙間からチラチラ顔を覗かせ、
気持ち良さと恥ずかしさから、どうしても声が上擦ってしまう。

「ん…なんか、逆に、ヤらしい…ぁっ」
「確かに…なら、全部脱いどくか…?」

こんなとこ、誰も来ないだろう。
それでも、下を全部脱いで、黒尾さんに晒してしまうのは…恥ずかしすぎる。
このままで…と返事する代わりに、黒尾さんの頭を両手で包み、髪を撫でた。

「してもらうと…気持ちイイんだな。」
「では…俺はヨシヨシ、してますね。」


やや強めに髪を撫で、視線を隠す。
そんな俺のちっぽけな照れ隠しに、黒尾さんは気付かぬフリをして…
遂に『赤』と素肌の隙間に、長い指を入れてきた。

「…ぁっ!」

下着越しではなく、直接ソコを手指で触れられ…跳ねる声とカラダ。
赤の下に潜り込み、上の白から透けては見えなくなったけれども、
今度は上に広がった隙間から、自身を優しく扱く様子が、真下に鮮明に見えた。

   下から上へと、煽り立てながら。
   スキを大きく、割り開いていく。
   空いたスキに、スキが溢れ出す。

気持ちイイよりも、もっと熱いモノが、下からじわじわと迫上がって来る。
自分のナカにスキを作り、スキを広げた人への想いで…スキがスキで埋まる。


「もう…出していいぞ。」

ナニを、とは言わない。
だが、求められているのは、明らかに…溢れ出そうな『言葉』の方だ。

赤のナカで、ぐじゅぐじゅと音を立てる素直な『下』とは違い、
『上』の方は、なかなか隙間を開けられず、喉より先に出ていかない。

   ホントは全部出してしまいたい。
   でも、それにはまだ…足りない。

荒い吐息や甘い蜜を零しながらも、喉に息を詰めてそれ以上出せない俺に、
黒尾さんは柔らかく微笑みながら、顔を赤の隙間から覗く『下』の方に近付け…


「す…ストップ、ですっ!!」

濡れる先端に吐息を感じた瞬間、俺は黒尾さんの頭をガッチリを鷲掴み…
すんでの所で動きを止め、自分のナカからスキを広げる言葉をようやく言った。

「『下』より先に…『上』に下さい!
   こっちのスキを、先に広げて頂かないと、出したくても出せませ…んっ!?」


   下から伸び上がってきた、黒。
   その黒に、全身を包み込まれ。
   『上』の隙を、黒で塞がれる。

最初は隙間を覆うだけの、軽い…キス。
その内、角度を変えながらお互いのスキをじわじわと広げ合い、
そこをお互いで埋め尽くすように、深く舌を絡めて『スキ』を伝え合う。

「本物の子猫みてぇな、卑怯なレベルの可愛さ…俺の負けだよ。」
「いえ、まるで母猫のような圧倒的包容力…無条件降伏ですよ。」

「俺の、『子猫ちゃん』に…」
「はっ、はいっ!喜んで…!」


スキを伝え合えた歓びを表すように、固く抱き合ってキスを続ける。
スキから想いが溢れるのを抑えるべく、何度も何度もキスで塞いでいく。

赤葦の背を撫でていた黒尾の手が、そろそろと下へと降り、
ずっと昂ったままだった、前の部分へ…

「なぁ、俺も一緒に…いいよな?」
「えぇ、ご一緒しましょ…っ!?」

赤葦が返事を言い終わらないうちに、またしても黒尾は次の動きを始めた。
それもまた、赤葦の予想とは全く違うモノで…再度大きく息を止めてしまった。


   白と赤の隙間を、下から割り開き。
   熱い塊が、ナカへと侵入してくる。
   赤の間に挟まれ擦り合う、熱と熱…

「ヤ…っ、そ、んな、トコ、から…っ」
「お前んナカに…入ってる、みてぇ…」

先程の手指と同じように、裾の方から狭い部分を出入りする黒尾の熱に、
赤葦は二人で『イイコト』をしているような…黒尾が入ってきた錯覚に陥った。

「これ、凄い…キモチ、イイ…っ」
「わ、るい…止めらん、ねぇ…っ」

自分のナカの、かつてはガッチガチだった隙間…今は柔らかく解されたスキに、
互いの熱を挟み込み、ピッタリと重なりながら高め合う…目眩のする絶頂感。

熱に浮かされ、バラバラに飛んでイきそうな意識の中で、
二人はキスで互いを繋ぎ…『赤』の中にスキを満たした。





「気持ち…悪いです。」
「だよな…悪かった。」

スキ放題の後、現実に戻った二人が見たのは…『赤』の惨状だった。
二人分のアレやらソレやらをベッタリと含み、赤葦の肌に貼り付く『赤』を、
黒尾はそろりと脱がせ、ポケットに入れていたハンカチで丁寧に腹部を拭った。

赤葦本体はキレイになっても、もうその『赤』を再び履くことは…不可能だ。
とは言え、このまま透け透けな白短パンだけを履いて帰るわけにもいかないし、
今夜が合宿最終日で、替えとなる清潔なモノも、もう残っていなかった。

思った以上に深刻な状況…どうしたもんかと赤葦が必死に頭を動かしていると、
自分の方をキレイにし終わった黒尾が、おもむろに赤ジャージを脱ぎ始め、
その中から『黒』を取り出し(律儀に畳んでから)、赤葦に差し出した。


「今日、風呂上がりにおろしたばっかりの、ほぼ新品に近いやつだから…」

透け透け白短パン+ノーパンより、ゴツい赤ジャージ+ノーパンの方がマシ…
それに、3枚セットで買った残りの1枚が、鞄の中にあるんだよ。

こっち…二人で汚しちまった『赤』は、俺が持ち帰って洗濯した上で返すから、
代わりに赤葦はそっちの『黒』を、とりあえずの次善策として…な?

そう言いながら、黒尾は赤葦に『黒』と白い短パンを履かせてやり、
シャツとジャージの皺を伸ばし、乱れた髪に手櫛を入れ、身だしなみを整えた。

本当に母猫の毛づくろいみたいな、子猫扱いだ…と、赤葦は気恥ずかしくなり、
ベッタベタに自分を甘やかす黒尾にピッタリと身を寄せて、そっと問い掛けた。

「俺が『赤』ではなく、『誰の所有物』か一目瞭然な『黒』を履いてるコト…
   梟谷の皆にバレたら、何て言い訳したらいいでしょうか?」


思いがけない質問に、黒尾は一瞬ポカンとした表情で固まったが、
赤葦が尋ねたことの意味に気付くと、耳まで真っ赤に染め…模範解答を教えた。

「その時の言い訳は、正々堂々と…はっきりこう言ってやればいいだけだろ。
   俺達の『お見合い♡大作戦』は、大成功しました!ってな。」



*****


『PK戦』をオチまでスッキリ語り終えた黒尾は、布団の中で何やらもぞもぞ…
そして、黒い布?を引っ張り出し、それを小さく畳んで赤葦の手に握らせた。

『黒』を受け取った赤葦は、布団の中から上半身だけ這い出し、
実にクリアな表情で、先程のレッドカード…『赤』を、再び黒尾の手に乗せた。

「ナイスプレイです…黒尾さん。」
「そう言って貰えて…良かった。」

互いの健闘?を讃え合い、ガッチリとスポーツマンシップ的?な抱擁を交わす。
一見すると、激闘を戦い抜いた黒&赤の、爽やかで感動的なフィナーレだが…
見えない布団の中…『VAR』が、現在『クリア』だと察した月島と山口は、
込み上げてくるアレとかソレとかが溢れ出すのを、必死に抑えていた。


なるほど~!クリアファイルの中の赤葦さんが、ギュっと抱えているボールを、
黒尾さんの頭に置き換え…今度は決定機を外さず、キッチリとキめましたね~!
男二人所帯でサイズも同じだと、『どちらの所有物か』の区別は、結構な難題…
でもでも、これほどわかりやすい『見分け方』があると、すっごい便利ですね♪

そう言えば、W杯期間に入ってからは、4人でずっと過ごすことが多かった…
『二人きり』も『寝る』も、両方が慢性的に不足(枯渇)しているし、
徹夜ハイっぽい状態も重なって…こんなミニシアターがデキちゃったんですね。
観戦してた僕達も、何だかその…『感極まって』きちゃいました。。。


…といった気の利いたコメントを、何一つ出すことができなかった二人は、
「次の試合は『寝た』後で…早朝5時半から録画で観ましょう。」とだけ言い、
感動冷めやらぬフィールドから、そそくさと立ち去った。




- 終 -




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※PK → ペナルティキック(Penalty Kick)。
   パンツ交換の略ではありません。
※試合終了後に交換するのは、上の方です。
   (参考:『五対五!研磨先生』)



2018/07/06    (2018/07/04分 MEMO小咄より移設)  

 

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