自分で言うのも何だが、俺は地味にコツコツな質実剛健タイプだ。
このまま、中間管理職街道まっしぐら…過労死認定ラインの人生なんだろうな。
貧乏くじ引きまくりなのはわかっているが、『楽に生きる』つもりはない。
ただ俺らしく、研鑽や鍛錬を適度に積んで、『楽しく生きる』だけだ。
この派手さはないが堅実な性格(優良物件だが非モテ…とも言う)の俺と、
猫種で分類すると同じ枠に入る奴が、意外と近場に居た。
研鑽や鍛錬だけでなく、面倒極まりない雑務の中にも楽しみを強引に見出し、
それを当然の如く淡々とこなし、自己満足に浸るド変態…苦労人確定だ。
梟谷の中では、猛獣・木兎のブッ飛び具合ばかりが目立ちまくっているが、
実際の所、監督やチームメイトが最も扱いに難儀しているのは、猛獣使いの方。
単純直球ド真ん中の木兎よりも、はるかに『理解不能な変人』認定だった…が。
(そうか?凄ぇ…解り易いだろ。)
何かしらの感情を押し殺しているのが常態で、決して感情がないわけじゃない。
隠された感情も、合理的に判断すれば容易く推察可能なものが多く、
理不尽に我を通したり、理由なき癇癪も皆無…実にニュートラルな常識人だ。
思考パターンも『同じ枠』なのか、俺には『まっすぐ』な奴にしか見えない。
俺と同じで、外からは見えにくいから、推察が必須という点では難儀だが、
他人の感情や思考の全てが見えないのは誰しも同じで、だからこそ相手を慮る…
その際、自分と似たタイプの奴のことは比較的解り易い、というだけのことだ。
…な〜んてことを、俺や赤葦は脳内で常に考え続けている人種なのだ。
完璧に当てることなど不可能だが、そこそこの確率で大まかには分かり合える…
これがきっと、『何となく気が合う』という状態なんじゃねぇかな。
そんな(世間的には面倒臭い部類に入る)赤葦も、推察不要のケースがあった。
感情をストレートに口に出したり、誰の目にも明らかにわかる表情を見せる…
それが『気持ちイイ』だったことには、正直俺もかなり驚いた。
元々の好奇心旺盛さに研究熱心さ、そして、課題をコツコツこなす勤勉さ。
それらが激務等によるストレス蓄積と、体育会系の精力に乗算された結果、
思い切りよく、真面目に、目的を果たすためのたゆまぬ努力に結び付いたのだ。
更なる高みを目指し、創意工夫を重ね、共に切磋琢磨し合う関係を構築…
要約すると、もっと気持ちヨくなるために、アレを重ねてソレを磨き合うべく、
合宿の度に『残業』を繰り返し、学校帰りに『外回りの営業』へ向かい、
休日も互いの自宅に『出張』しながら、二人で『研鑽』に励んでいるところだ。
(つまり…ま、そういうコトだよ。)
*****
「お待たせして、すみません。」
「いや、俺も今着いたとこだ。」
土曜の午後、昼下がり。
今週末は合宿ナシだったが、午前中はお互いそれぞれの本拠地で部活。
着替えながらおにぎりを1つだけパクつき、今日は直帰だな~と小声でポソリ。
だが部員達からは「イってらっしゃい」という送り出しや労いの言葉はなく、
大声で「黒尾、今週もお泊まりだってよ~!」の激励?と、満面のニヤニヤ顔。
「ヨメにヨロシク!」「ヨメ言うな!せめて…奥様と敬称を付けろ。」と、
部員達の生暖かい声援に、しょーもない冗談だけを返して、部室を飛び出した。
(一番ニヤけてんのは…俺だよな。)
気を抜くとすぐに緩んでしまう頬を、どうにかして隠さなければ…と、
赤葦と逢う時は、わざと待ち合わせ時間ギリギリに出発し、急ぎ足で向かう。
こうすると、早く逢いたくて走って来たことを、ほんの少しだけ誤魔化せるし、
何よりも『俺を待つ赤葦』の姿を、この目に焼き付けることができるのだ。
(何か、じんわり…するんだよな~)
勿論、今日みたいな逆パターン…
小さく手を振ってから、赤葦が俺に向かって走ってくる姿も、実に感慨深い。
もっと言えば、『赤葦を待つ俺』を発見した時に、一瞬だけほわっと緩む表情…
それが何だか、赤葦が俺に逢えて喜んでいるように見え、つられて緩んじまう。
(だから…そういうコト、だよ。)
初めて触れ合った、GW合宿の夜。
事故的なサワサワからの、必然的なムクムク。
どうしたもんかと固まる中、赤葦は俺の様子を窺うため、上目遣いに…チラリ。
戸惑いと不安を湛え、僅かに潤みを含んだ瞳に、胸をギュっと鷲掴みにされ、
その直後、暗い中でも妙に紅く艶めく唇から、とんでもないセリフが跳ね落ち…
掴まれた胸がキュン♪と鳴り、吸い込まれるように赤葦に落ちてしまったのだ。
「赤葦、今日も…毎日お疲れさん。」
「ぁっ…りがとう、ゴザイマスっ!」
走って来たせいで少し跳ねていた横髪。それを直しがてら、労りのヨシヨシ。
すると、少し照れ臭そうにはにかんで、視線を一旦横に流し、再度俺を見上げ…
(その仕種が…グっとクる。)
いかん、まずは…仕事だ、仕事。
赤葦の視線を過剰摂取しないように、せっかく整えた赤葦の髪をぐしゃぐしゃ。
どっかその辺の店に入って、ここに来た大義名分(書類仕事)を終えようぜ?と、
商店街の方に視線を投げたが…赤葦は俺の袖を軽く引いて、NOを伝えてきた。
(いやいや、その仕種も…ナイス。)
「今月分のおこづかいが、そろそろ厳しいので、ぅぅウチに、その…っ」
「猫又監督から今日のおデート代…じゃなかった、お駄賃貰ってるぞ?」
「それは、別のものを…コンビニで使いましょう。」
「ん?俺の『お泊まりグッズ』…下着でも買うか?」
「…はい、それを、お願いします。」
「…実は、念の為、持って来てる。」
「では、しょっ、『消耗品』をば…」
「えっ、りょっ、りょーかい、だ…」
これはもしかしなくても、例の『夢にまで見たセリフ』が出てくる場面では!?
胸から溢れそうな期待を、どうにか押し殺しながら、僅かに上擦る淡々声で、
「お前んちで何か食べつつ、のんびりさせて貰おうかな~」と呟いてみると、
期待通りのリアクション…無理矢理作った淡々顔かつ、蚊の鳴くような小声で、
「今日は誰も居ないので、気兼ねなくお過ごしください。」との回答がきた。
「ヤだ。京治クンったら積極的っ♪親が居ない日にオトコを連れ込むなんて…」
「鉄朗サンこそ…ソレを二箱も買おうとしてるなんて、ヤる気満々♪ですね?」
「実は赤葦…ムッツリだよな?」
「助平はお互い様…でしょう?」
(この会話のテンポが…たまんねぇ。)
一緒に仕事をしても、他愛ないお喋りをしても、気遣い不要さが心地良く、
何もせずにただ傍に居るだけで、自然と頬もココロも全部がふわっと緩む一方、
普段は見せない照れ顔や戸惑いを含んだ仕種を、不意にぶち込まれてしまうと、
俺の心臓ダイレクト…赤葦のやることなすこと全てが、いちいちツボるのだ。
「おい、まずは、仕事を…おっと!」
「それより、コッチの研究が…先っ」
そして、極め付けは…コレだ。
あの日の『ハマっちまいそう』『抜け出せないかも』という予感が的中し、
独りとは桁違いの気持ちヨさに、二人揃ってズッポリ夢中になってしまい…
どうすればもっと気持ちヨくなれるのかを探究すべく、試行錯誤を続けている。
どのぐらい研究熱心かと言うと、開始から3回目には『おクチで♪』に挑戦し、
5回目で『全部脱いじゃえ♪』と、人肌の温もりを全身に覚えさせてしまった。
その頃から、俺のココロにも自覚できるぐらいの大きな変化が起こり始め…
『どうすれば赤葦をもっともっと気持ちヨくさせてやれるか?』に主眼を置き、
赤葦のイイ顔を見たい一心で…7回目から『うしろのおクチも♪』を開始した。
色んなイミで、赤葦を悦ばせたい。
蕩けるような表情を、見ていたい。
俺の全ては、赤葦のために…
********************
部屋に入るなり鞄を投げ捨て、互いの体温を確かめるべく、固く抱き合う。
落ち着けようとしているのか、はたまた逆に煽り立てようとしているのか…
そのどちらとも取れる強めの力で、抱き締めた背中全体を、念入りに撫で回す。
まず最初にこうして腕の中の存在を確認し合い、スイッチをONに切り替える。
「黒尾さん、今週もお疲れ様でした。」
「サンキュ。赤葦もよく頑張ったな。」
おでことおでこをくっつけて、労いの言葉を何度も贈り、慰撫し合う。
こうすることで、コレから二人ですることが『今週の御褒美』だと思えてきて、
僅かに残る背徳感や羞恥心を、触れ合う口実へと変えてくれる気がするのだ。
「俺、今週も頑張りました。だから…」
「今週もイロイロ溜め込んだ…だろ?」
「それも、お互い様…みたいですね?」
「そろそろ発散させねぇと…暴発だ。」
互いの頸元に人差し指を差し込み、ネクタイの結び目を緩めていく。
解きやすいように、少しだけ喉を上げると、上唇の先が微かに触れ合った。
(あっ、悪ぃ…当たっちまった。)
ニアミスした時には、いつもならお互いに気付かないフリして離し、先へ進む。
だが今日は、赤葦は黒尾の首へ腕を回して顔をやや上向きに固定し、
唇に触れるか触れないか…ギリギリのところを掠めながら、話を奥へ進めた。
「そろそろ、はっきりさせませんか?」
今日の帰りがけに、先輩方から言われたんです…「ダーリンにシクヨロ♪」と。
その時は「失敬な。旦那様と言って下さい。」と、真顔で冗談を返しましたが、
実際問題として、俺と黒尾さんのカンケーって、つまるところ何なのかなぁと。
「弄って解しても、未だイれてないですから、セフレ…じゃないですよね?」
「とは言え、ただのヌキ友が全裸で抱き合ったまま寝るとは…思えねぇな。」
始めは事故&好奇心。そのうち、お互いスッキリ&気持ちヨくなるために。
そう言いつつ、肌やらアレやら言い訳やらを重ねながら研鑽を続けてきました。
自分の勤勉さと貪欲さには、驚くよりも呆れてしまうばかりなんですけど…
それ以上に、最近の黒尾さんの御対応に、強い戸惑いを覚えているんです。
「俺のこと…甘やかし過ぎですよね?」
「その自覚は…なきにしもあらずだ。」
何ですか、その過少申告は。俺を誤魔化せるとでも思っておいでですか?
黒尾さんなしではイキてイけなくさせようと、俺の全てを溶かし込むような…
ヌキ友やセフレなんてレベルを遥かに超える、壮大な罠にハメようとしてます!
「人聞き悪ぃことを言うな!俺はただ、赤葦をヨくさせてやりたいだけで…」
「それが『罠』だって言ってるんです!そんな一方的なカンケー…嫌です。」
俺だって、黒尾さんを同じくらい甘やかしたい。黒尾さんと対等で居たい。
俺だけを『特別扱い』して下さってるように…俺も、そうしたいんです。
俺ばっかりが、黒尾さんにハマってしまうなんて、フェアじゃありません!
「『二人で一緒に』気持ちイイを求め続ける…そんなカンケー、駄目ですか?」
こっ、これは、例え話ですけど、未開発のコレとソレを触れたり繋ぎ合せたり、
願わくば、二人で一緒に燃え上がってイけるようなカンケーとか…っわぁ!!
蚊も聞き取れないぐらいの小言で、なかなかアレなセリフをぶっ放す赤葦を、
黒尾はおもむろに抱え上げ…そのまま一緒に、ベッドにダイブした。
「お前こそ卑怯だぞ!淡々と迫りつつ、ちょい照れとか…俺を萌え殺す気か!」
普段のおカタいムッツリ野郎からは、想像もできねぇような激変っぷりだろ!?
新元号なんかより、赤葦の変化…いや、『赤葦の見え方』の大転換こそが、
俺にとっては、まさに『新時代の到来』と言っていいレベルなんだからな!!
「お前がやたらめったら可愛く見えちまう…可愛がって、何が悪いっ!?」
「そうやって、無駄にカッコイイ顔して惚気る…心臓に悪いでしょっ!?」
「えっ、カッコイイ…っ!?さ、さんきゅ…なんか、照れ…ちまうだろっ!」
「ずっ、ズルイです…っ!!ここで…可愛く赤面とか…キュン死しますっ!」
なんやかんやと喚き散らすように囁き、盛大に照れ照れしながら…デレデレ。
その間にも、ネクタイを引き抜き、シャツのボタンを外し、ベルトを緩め、
本心を晒せと言わんばかりに、慣れた手つきで相手の制服を剥ぎ取っていく。
「俺に聞く前に、赤葦が願望を暴露する方が…先なんじゃねぇか?」
「先に質問したのは俺の方…まずは黒尾さんから答えて下さいよ。」
お互いの気持ちがどこにあるかも、気持ちイイ場所も知り尽くしているけれど、
ちゃんと相手の口から、はっきりした言葉で聞いておきたい…伝え合いたい。
快楽に流されて、曖昧なカンケーのままで最後までイき着くのではなく、
きちんと自分の意思で、大切な人との仲を、もっともっと深めたかった。
「お前と一緒にするのがヨ過ぎて、独りの時も二人でシた時のことを思い出し…
今や、俺のオカズは『赤葦定食』の一択なんだぞ?責任…取ってくれよな!」
「俺だって、貴方が開発しまくったせいで…独りじゃ上手くヌけなくなったし、
コッチにナニかないと、物足りない…責任取って欲しいのは、俺の方です!」
ほらほら、言ってスッキリしちまえよ!おやおや、ココを押せば出てくるかも?
ベッドに並んで横たわり、お互いの弱いトコをツンツン…擽り合って悶絶。
どう見ても『イチャイチャ』な空気感で、カラダよりココロがくすぐったい。
「あーもう、凄ぇ…幸せだな〜!」
「はい!蕩けちゃいそうですね…」
「俺、お前が、凄ぇ…好きだよ。」
「俺も、蕩けるほど…好きです。」
*****
ひとしきり笑い、想いを伝え合った後には、微睡むような甘さが場を包んだ。
トロンとした表情を隠すことなく、徐々に顔を近付けて、おでこをコツン。
「眠たく…寝たく、なっちまったな。」
「俺も、貴方と一緒に…寝たいです。」
初めて触れ合った時と逆の『言い直し』をし、先へ進む強い意思を確認する。
形だけのあくび。それから、静かに瞳を閉じて…そっと唇を合わせた。
(う…ぁ…っ)
(ん…ん…っ)
熱いモノに触れたのに、寒気に似た震えが全身を駆け巡り、息が詰まる。
他にはない、キスだけが持つ独特の感触に驚き…目を開いて一瞬だけ離れるが、
すぐにまた目を瞑って更に距離を縮め、感触を味わうようにキスを繰り返した。
(キスって、すっげぇ…)
(最高に、気持ちイイ…)
これは、単なるキスじゃない。
ヌキ友でもセフレでもなく、気持ちを通じ合わせた…恋人同士のキスだから、
こんなにも気持ちヨくて、全てが満たされた充足感に包まれるのだろう。
物凄く幸せなのに、何故か目の奥がじんわり潤み、胸が張り裂けそうな感覚に…
感極まった何かが溢れて来ないように、二人はキスの快感でそれを抑え込んだ。
「ようやく…キス、できましたね。」
「想像より…遥かにイイもんだな。」
「遂に唇まで奪われた…京治、もう、他所にはおヨメにイけない…かも?」
「ヨメって言うな。最大級の敬称付で…奥様として、俺が迎えイれるぜ?」
「それなら、今後は冗談抜きで…旦那様とお呼びできますね。」
「そうと決まれば、まずは一緒に…ゴクラクにイっとこうか?」
(え?セリフ…ちょっと早過ぎでは?)
(ん?まぁ…気付かなかったフリだ!)
多少の誤差はあるだろうが、本質はそんなに遠く離れていない…おそらくは。
キスの気持ちヨさに比べれば、そんな細事はどうでもいいコトじゃないか。
だって、キスしていただけで…触れ合う熱は、もうゴクラク寸前なんだから。
「独りより、スキな人と、一緒が…っ」
「ただ一緒よりも、キスしながら…っ」
知り尽くしたお互いのイイトコを、磨き続けた技で丹念に刺激しながら、
未知の快楽を呼び起こすキスに、二人で共に酔いしれ溺れていく。
今まで研鑽を続けてきたコトと、今日初めて味わう新たな感覚の融合、そして、
ストレートなキモチと、キモチイイを伝えてくる恋人の反応に、ココロが躍る。
「くろ、お、さん…スキ、ですっ」
「あかあし、キス、もっと…だっ」
(1+1に、キスをたしたら…)
(気持ちヨさは、5を超える…)
指を絡めて包み込んだ掌の中で、重ね合ったものが同時に熱を放った後も、
二人は決して唇を離さず、この先へ進もうという意思を伝えるキスを続け、
潤いを存分に含んだ音を響かせながら、舌と指で黒尾は赤葦のナカを溶かした。
「も、ダメ…ヨすぎて、また、イ…っ」
「気持ち、ヨさそうで…よかった…っ」
自分の腕の中で悦楽に浸る赤葦の姿に、黒尾は悦びに満ちた表情で微笑んだ。
何度でもイけばいい…と、黒尾は指を軽く折り、ゴクラクへ導こうとしたが、
赤葦はイヤイヤをするように頭を振り、黒尾の指をナカから引き抜いた。
「俺だけ、じゃ…イミ、ない…っ」
黒尾さんも、気持ちヨくないと…
『二人で一緒』が、イイ…です。
だから、もう…キて、下さい…っ
大胆なセリフに赤面凝固する黒尾の隙をつき、赤葦は黒尾の下に潜り込むと、
両腕を背に回して引き寄せ、有無を言わせないためのキスを仕掛けながら、
両脚を黒尾の腰にしっかりと絡め、熱で熱を圧迫し…黒尾のスイッチをイれた。
「チカラ、抜いて…イく、ぞ…っ」
十分すぎるぐらい解されていた場所は、覚悟していた痛みを全く感じなかった。
その代わりに、想像を超える圧倒的な質量と、計測不能な快感が押し寄せ、
赤葦はその波に全部掻っ攫われてしまわぬよう、全力で黒尾にしがみ付いた。
「おいっ、だ、いじょう、ぶ、か…っ」
「ヨすぎて、だいじょうぶ、ない…っ」
1×1は、5まで燃える…この予測は、明らかな計算ミスだった。
ナニをどうやっても、『0(ラブ)』で和合してしまうだけじゃないか。
これぞまさに、『0(れい)』で和す…新時代の幕開け、かもしれない。
一緒に燃え滾るという願いを叶え、新しいスタートを迎えた二人は、
お互いの更なる魅力と桁違いの快感を知った喜びに、心身共に浸り尽くした。
「完全に、ハマっちゃい…ましたっ」
「もう絶対に、ヌけだせねぇ…なっ」
- 終 -
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2019/06/19